土曜ワイド劇場全作品リスト
はじめに

[最終更新日:2006/05/17]

『テレビジョンドラマ 特集・土曜ワイド劇場』表紙 この「土曜ワイド劇場・全作品リスト」は、私が作成している「明智探偵事務所」の副産物として生まれました。土曜ワイド劇場で放送されていた「江戸川乱歩の美女シリーズ」のリスト化をする中で、偶然に私が資料として所持していた「テレビジョンドラマ 特集・土曜ワイド劇場」(1987年、放送映画出版)に掲載されていた「土曜ワイド劇場 全放映作品リスト」を見たことが、一つのキッカケとなりました。この雑誌は、私がインターネットに触れる前に入手したものですが(神保町の書泉グランデだったかな?)、リストを眺めるうちにこういうものが好きな血が疼き出したとでもいますか。巻末の「編集室」には、テレビジョンドラマ編集長・齋藤耕路氏が「このリストの続きは本誌の巻末資料を利用しながら読者のみなさんがご自分のやり方で続けて作っていくのも楽しみではないでしょうか?」と書かれていたのも刺激したかもしれません。そして、2000年11月13日、「明智探偵事務所」内の一コーナーから独立して、今日に至ります。

 現在、テレビ各局では2時間ドラマ(主としてサスペンス)が定着しています。2006年5月現在、レギュラーで放送されているものとしては「月曜ゴールデン」(TBS系)、「DRAMA COMPLEX」(日本テレビ系)、「水曜ミステリー9」(テレビ東京系)、「金曜エンタテイメント」(フジテレビ系)、「土曜ワイド劇場」(テレビ朝日系)があります。現われては消えていった2時間ドラマ枠に、特番として放送されるものを含めれば、いったいどれだけの本数があるのか……気が遠くなります。そして、その先駆けとなったものは1977(昭和52)年に放送開始された「土曜ワイド劇場」なのです(当初は90分枠)。

 「土曜ワイド劇場」は、アメリカでテレフィーチャーと呼ばれるものを輸入し、日本独自の形で発展させたものです。元々、テレフィーチャーとは、アメリカテレビ界において連続ドラマの不足とテレビ放映用映画のストック不足から、大手の映画会社と組んでテレビ放映後に劇場公開を目的として製作されたのが元祖だといいます。日本を始めとする海外マーケットでは最初から劇場公開されるものも多く、スピルバーグ監督の「激突!」などはその一例です。それを取り入れたのが、「土曜ワイド劇場」でした。ただし日本では予算的なことから16ミリフィルム、ビデオでの製作のために劇場公開は最初から考慮されず、1時間ドラマの発展形としてとられているのです。視聴者が定着するまでは苦戦もしましたが、「江戸川乱歩シリーズ」「家政婦は見た!」などのシリーズものが人気を呼び、次第にミステリー、サスペンスを基本とした2時間ドラマの雄となったのです。

 また、この枠は時々の流行などをたくみに取り入れる工夫がなされています。当初は文芸作なども含めつつもミステリー主流、そのミステリーも重厚な、しっかりしたものが多かったのに比べ、近年ではライトなものが主流。それと古いリストを作成していて気付いたのは、サブタイトルの変化と、原作ありが大半だったものが原作なしが大半に変わっていったことです。最近は、昔ドラマ化したものをキャスティングを変えて再ドラマ化するケースも増えているように思います。

上野玲編『全部解決!!2時間サスペンス』表紙  ただ残念なのは、当初、土ワイの最大の特徴だったオープニングでキャストの他に原作、脚本、音楽、監督の顔出しがある、という部分がいつしか消え、エンディングにタイアップの統一楽曲が使用されるなど、火曜サスペンス劇場化してしまっていることです。最近、これまではなぜかなかった2時間ドラマの解説本も出版されている(上野玲編『全部解決!!2時間サスペンス』メディアファクトリー刊行、など)のですが、「意外にも主題歌はこれまでに4曲しか使われていなかった」というように主題歌があるのが当たり前、という風にとらえられているのが悔しいです。枠主題歌を始めたのは火サスで、土ワイはそれとを一線を画していました。後発の枠がほとんど枠主題歌(平たくいえばタイアップですな)を付けていたのに対して、オープニング、エンディング共にそのドラマの主題曲を付けていたのが土ワイの最大の特徴だったはず。私が土ワイを離れたのは、私が好む乱歩物などの作品数が減っていったのと比例していたと思うのですが、その間に変貌を遂げてしまっていたのですね。あと、これも勘違いしてる人が多いのですが、「サントリーミステリースペシャル」は特別枠であって土ワイではないです。なぜか、『全部解決〜』内のリストでは同一視されていますが、誤解なきよう。

 放送開始28年を越え、その間に多くの2時間ドラマ枠が現れては消えていった中で、これからもますます広がっていくであろう土ワイ。少し述べたようにあまり見ていない時期が多かったのですが、これからも古くからのファンをも引きつけることが可能な土ワイであって欲しいな、と思います。

[2006/05/17改訂]